セミリタイアの試算に実質計算を使う理由

考え方・背景

セミリタイアを考えるうえで欠かせないのが、将来のシミュレーションです。
生活費や資産の推移をどう見積もるかによって、結果の見え方は大きく変わります。

特に「インフレ」をどう扱うかは重要なポイントです。
インフレ率をそのまま反映すると、将来の生活費がどんどん膨らんでいき、数字としては正しいものの生活感がつかみにくくなってしまいます。

そこで私は、シミュレーションを行うときには「実質ベース」で考えるようにしています。
今回はその理由を整理してみたいと思います。

インフレをそのまま反映すると

仮にインフレ率を毎年2%と設定したとします。
この場合、単純計算でも約35年で物価は2倍になります。

例えば、今は月20万円(年間240万円)の生活費で暮らせているとしても、70歳になる頃には月40万円(年間480万円)が必要という試算になります。
数字としては正しいのですが、こうした「名目ベース」の見方をすると、将来の支出が膨らみすぎてしまい、現実感が持ちにくくなります。

実質ベースで置き換える考え方

そこで私は、生活費については「今の水準で一定」として考えるようにしています。

もしインフレ率をそのまま適用してしまうと、生活費が年々膨張していきます。
そうなると、セミリタイア後や年金受給後といった生活費が変わるタイミングで、「結局どのくらいの水準に変わったのか」が分かりにくくなってしまいます。

そのため、資産運用のリターンを「実質リターン」に補正して計算することで、生活費はあくまで一定のまま扱い、変化がある場合も「今の水準に比べて増えたか減ったか」という形で整理できるようにしています。

例えば、期待リターンを年4%、インフレ率を2%と見込むのであれば、実質リターンは2%です。
この「実質リターン」でシミュレーションすることで、生活感を持って資産の推移を確認することができます。

給料についてどう考えるか

生活費や資産と同じように、給料についても「名目」か「実質」かで見方が変わります。

例えば、昇給率を年2%と仮定した場合。
インフレ率も2%であれば、名目上は毎年増えていくものの、実質的には横ばいと考えられます。
つまり「額面は増えるが、生活感覚としては変わらない」という扱いになります。

もし昇給率がインフレ率を上回れば、実質的に可処分所得は増えることになりますし、逆に下回れば生活水準は下がっていくことになります。
このように給料についても、資産と同じく「実質ベース」で考えることで、より現実的なシミュレーションが可能になります。

他にも実質ベースで考えるべき項目はありますが、タイミングが調整可能な退職金や、年金については仮置きとしています。
また、住宅ローンや奨学金といった固定の返済額は、インフレ下では実質的な負担が軽くなるため、そのまま扱うことで保守的な見積もりとしています。

実質ベースで考えるメリット

シミュレーションを名目ベースで行うと、将来の生活費が大きく膨らんでしまい、数字は正しくても現実感を持ちにくくなります。
一方で、実質ベースに置き換えて考えることで「今の生活費感覚」をそのまま将来に当てはめて検討できるようになります。

この方法のメリットは大きく3つあります。

  1. 生活感を持ちやすい
    インフレを都度反映させる必要がなく、資産リターンを実質に補正するだけで済む。
  2. 計算がシンプルになる
    「今の生活費に対してどうか」という比較ができるので、イメージがしやすい。
  3. ブレに振り回されない
    名目の数字の膨張に惑わされず、実際の購買力を基準に判断できる。

まとめ

セミリタイアのシミュレーションでは、名目の数字をそのまま使うと将来の生活費が膨らみすぎて現実感を失いがちです。
そのため、生活費は今の水準で一定とし、資産リターンや給料を実質ベースに置き換えて考えるようにしています。

実質ベースで整理することで、生活感を保ちながらシンプルに将来を見通すことができると思います。

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