駐在中の資産運用は短期か、長期か?

資産形成

海外駐在が決まったときに、その限られた期間の中で、資産運用をどうするか——
それは、私の悩んだテーマのひとつでした。

日本にいるときのように、NISAやiDeCoといった制度は使えません。
そのため、駐在中の資産運用は、どうしても“特例的”な形を取らざるを得ません。

私の場合は、海外居住者向けのサービスであるWise Stocksを利用しています。
ただし、Wise Stocksは帰国後には利用を続けられないため、結果的に「数年間だけの運用」という構図になります。

一見すると短期投資のようにも見えるこの状況を、どう捉えるのが正しいのか。
今回は、駐在中の資産運用を“短期”と見るか、“長期”と見るか、その考え方を整理してみようと思います。

一見“短期投資”に見える理由

駐在中の資産運用は、外から見ると“短期投資”のように映ります。
理由はいくつかありますが、最も大きいのは期間の制約です。

駐在は通常3〜5年という限られた期間であり、その間に運用を終えて円に戻す必要があります。
つまり、運用の出口があらかじめ決まっているのです。

さらに、利用しているWise Stocksは海外居住者向けのサービスのため、帰国後は利用を継続できません。
そのため、帰任時点で資産をいったん整理し、日本の制度(NISAなど)に切り替える必要があります。

こうした事情を踏まえると、どうしても「数年で終わる投資」「一時的な運用」といった印象を受けます。
長期投資の基本が「10年、20年のスパン」であることを考えると、この駐在期間はたしかに“短期”に見えるのも無理はありません。

それでも“長期投資”と考えられる理由

一見すると短期投資のように見える駐在中の運用ですが、本質的には長期投資の一部として捉えることができます。

まず、投資対象の多くは米国株やETFといった、長期成長を前提とした資産です。
日本でNISAを通じて運用する場合と、Wise Stocksで運用する場合とで、中身そのものはほとんど変わりません。
つまり、駐在中にWise Stocksを利用していても、それは「異なる口座で同じ資産を持っている」だけであり、投資の方向性が変わるわけではないのです。

また、仮に帰国時にWise Stocksの評価額がマイナスであっても、日本でNISAを続けていた場合も、同じ相場に影響を受けている可能性が高いでしょう。
そう考えれば、駐在での運用を「短期投資」として切り離すよりも、長期投資の途中経過として見るほうが自然です。

期間の区切りよりも大切なのは、運用の習慣を止めないこと。
Wise Stocksで積み立てを続け、帰国後にNISAへ引き継ぐ——
その一連の流れは、むしろ長期投資の連続性を保つための行動といえます。

駐在中に意識すべき“本当のリスク”

駐在中の資産運用において考えるべきリスクは、相場の上下といった市場要因よりも、むしろ環境や心の在り方に関わるものだと思います。

ひとつは、為替リスクです。
ユーロで積み立て、円に戻す以上、為替の変動によって最終的な評価額は大きく変わります。
この影響を完全に避けることはできませんが、為替を読もうとするよりも、一定のルールを決めて淡々と実行することで、余計な不安を避けられると考えています。

もうひとつは、日本の制度を利用できないという点です。
NISAやiDeCoなどの非課税制度は使えず、その意味では「損をしている」と感じる場面もあります。

ただし、制度が使えないことと、投資ができないことは別の話です。
限られた環境の中でも、自分なりに最適な方法を組み立てることはできます。

そして最後に、最も大きなリスクは、「駐在中だから仕方がない」と考えることをやめてしまうことかもしれません。
特殊な状況だからこそ、思考を止めずに設計し直すことで、より良い選択肢やリスクの受け止め方が見えてくる。

どんな状況でも考えることをやめないこと。
その姿勢こそが、不安を抑え、結果的にリスクをコントロールすることにつながるのだと思います。

まとめ

駐在中の資産運用は、形式的には“短期”に見えるかもしれません。
けれど、投資対象が変わらず、思想が続いているのなら、それは長期投資の一部として捉えてよいと思います。

Wise Stocksでの積立を終え、帰国後にNISAで再び運用を続ける。
その一連の流れは、時間を分断するものではなく、むしろ長期投資を途切れさせない工夫です。

重要なのは、期間の長さではなく、どんな状況でも考え、行動を続けること。
それが、不確実な環境の中でも自分らしく資産を育てていくための、いちばん確かな方法だと思います。

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