「KY活動」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
“危険予知活動”の略で、職場や作業現場に潜む危険を事前に特定し、災害や事故を防ぐためにチームで話し合い、対策を立てて実行する取り組みです。
駐在中の今は行う機会がありませんが、本社勤務の頃は年に数回、定期的に実施していました。
とはいえ、過去の災害対策がすでに整っていることも多く、新たな危険を見つけ出すのはなかなか難しいものです。
災害は“想定外”のことが起きるからこそ発生するもの——つまり、「想定外を想定する」こと自体が、そもそも非常に難しいのです。
全力で“災害を起こす方法”を考える
そんな中で、私がよくやっていた方法があります。
それは、「目の前の状況で全力で災害を起こす方法を考える」というものです。
通常の作業をしている中で、ケガをする場面を想像するのは意外と難しいものです。
しかし、「わざとケガをするにはどうすればいいか」と考えてみると、案外、現実に起こり得そうなパターンがいくつも見えてきます。
“危険を避ける”よりも、“危険をつくる側に回ってみる”という発想です。
立場を逆にして考えてみると、思いがけない弱点やリスクが浮かび上がってくることがあります。
それを一つひとつつぶしていくことで、結果的に安全性が高まっていくのです。
セミリタイア計画にも通じる発想
この考え方は、セミリタイアの計画にもよく似ていると感じます。
将来の暮らしに潜む“危険”は、作業現場のそれとは違うものの、性質としては似ています。
たとえば、想定外の収入減、家族の体調や働き方の変化、予期しない支出、社会情勢の影響など。
こうした不確定要素を前にして、ただ不安を抱くだけでは意味がありません。
そこで役立つのが、KY的な発想です。
「もし貯蓄計画が甘いまま会社を辞めたら?」
「もし健康を損ねて医療費が膨らんだら?」
「もし家族の理解を得ないまま進めてしまったら?」
私のセミリタイア計画は、まだKY活動そのものが始まっていない段階です。
だからこそ、“危険の種”は簡単に見つかります。
そして、その一つひとつに対策を考えていくことで、現場のKY活動と同じように、セミリタイア計画の安全性も少しずつ高まっていくのです。
想定外を想定するレベルへ
KY活動では、最初から完璧に危険を洗い出せるわけではありません。
何度も繰り返すうちに、少しずつ“想定内”の範囲が広がっていきます。
セミリタイア計画も同じで、定期的に見直しを続けることで、これまで見えていなかったリスクが次第に明らかになっていきます。
定期的に計画を振り返るたびに、
「ここは以前より確実に安全になったな」と感じることもあれば、
「新たに注意すべき点が見つかったな」と気づくこともあります。
そうして少しずつ、“想定外を想定する”というレベルへ近づいていく。
突拍子もない想像や、いまは現実味のない仮定を考えることも、安全な計画づくりには意外と役立ちます。
むしろそのくらいまで考え尽くしてこそ、安心して歩み出せるセミリタイア計画になっていくのだと思います。
早速次回は、第1回KY活動を実施してみたいと思います。
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