教育費の見積もりと我が家の方針（前編）

教育費は、子育て世帯にとって大きな支出のひとつです。
特に中学生以降は、学習環境や進路選択の幅が広がることで、家計への負担も一段と重くなっていきます。

セミリタイアを考えるにあたっても、この教育費は無視できません。
計画の数字を動かす要因であると同時に、子どもたちの将来を左右する重要な投資でもあります。

私自身、教育費については「セミリタイアのために選択肢を制限しない」という方針を持っています。
子どもにとって必要な環境であれば、その道を選べるようにしたい。

一方で、親の安心や世間体だけのために費用をかけるのではなく、あくまで本人の意志や目的を尊重した支出としたいと考えています。

この記事は前後編として、前編では中学校と高校の教育費を整理しながら、我が家の方針についてまとめていきます。

中学校の教育費

中学校にかかる教育費については、文部科学省が実施している「子供の学習費調査」を参照すると、公立と私立で次のような結果が出ています。

出典：文部科学省「子供の学習費調査（令和3年度）」

私自身、田舎の出身ということもあり、私立中学という選択肢はあまりなじみがありません。
そのため、基本的には公立中学への進学を前提に考えています。

もちろん、子どもにとってその環境が必要だと感じれば、私立を検討する余地もあります。

ただ、学習面だけを考えるなら、公立中学で十分対応できると判断しています。
スポーツで例えるなら、子どものうちは「道具の性能差」よりも「本人のやる気や方法、考え方」の方が成長に大きく影響すると私は考えています。

高校にかかる教育費についても、文部科学省「子供の学習費調査」に基づくデータがあります。
授業料・教材費などの学校教育費、通学費、学校外活動費（塾や習い事など）を含めた年間学習費総額は以下のとおりです。

出典：文部科学省「子供の学習費調査（令和3年度）」

近年は「高等学校等就学支援金制度」の拡充により、世帯収入に応じて授業料が実質的に無償化されるケースも増えています。
ただし、制服代・部活動費・模試や受験関連費用など、学校外での支出は無視できません。

高校に関しても、中学と同様の方針をもっています。塾や受験対策にかかる費用は確かに考慮が必要ですが、それはまず学校から通常受けられるサポートを活用した上での選択肢になるべきだと思います。

安心のためだけの塾や、親から押し付けられた塾では意味がありません。
「やらないよりやっておいた方がいい」という”程度”の理由であれば、むしろやらなくてよいと考えています。

学歴だけが正義ではありません。

子どもたちが何を考え、どう進みたいのかをしっかりと汲み取り、その上で必要なサポートをしていくつもりです。

中学・高校までは「子どもの意思を尊重しつつ、公立前提で堅実に」という方針となります。
教育費が上振れする場合は、その時の資産状況を踏まえ、セミリタイアの時期や進め方を柔軟に調整していけば良いと考えています。

一方で大学は進路の自由度が高く、教育費がセミリタイア計画に与える影響も大きくなります。
後編では、その大学費用と我が家の考え方を整理していきます。