こどもNISAで格差が広がる? | 50歳セミリタイアを志向する轍録(わだちろく)

こどもNISAで格差が広がる?

資産形成

2027年1月から、「こどもNISA」の開始が予定されています。
この制度に関連して、「格差が広がるのではないか」という意見を見かけることも増えてきました。

我が家では現時点でこどもNISAを利用する予定はありません。
以前の記事でも触れたとおり、そもそも夫婦分のNISA枠をまだ使い切れていないためです。

その一方で、「こどもNISAによって格差が広がる」という考え方については、少し違った見方もできるのではないかと感じています。

もちろん、資産に余裕がある家庭ほど制度を活用しやすいという面はあると思います。
ただ、NISA制度そのものには上限も存在しています。

そのため、「こどもNISA=格差拡大」と単純に考えるよりも、もう少し長い時間軸で整理してみるのが良いのかもしれません。

今回は、こどもNISAによって本当に格差が広がるのかについて、自分なりに少し考えてみます。

なぜ「こどもNISAで格差が広がる」と言われるのか

まず、「こどもNISAで格差が広がる」と言われる理由について整理してみます。

今回の議論で前提になっているのは、「こどもNISAを利用できる家庭」と「利用できない家庭」の差です。

そもそも、現在のNISA制度においても、現段階で投資枠を上限まで利用できている人は、そこまで多くはないのではないかと思います。
我が家も同様で、夫婦分のNISA枠をまだ使い切れていません。
(というよりも、駐在中のため利用できておりません。)

そのため、こどもNISAを利用できる層というのは、少なくとも「自分自身、あるいは夫婦分のNISA枠をある程度使い切った上で、さらに余剰資金を投資へ回せる層」という見方になります。

そう考えると、「もともと資産に余裕がある家庭ほど、さらに非課税メリットを受けやすくなる」という意見が出てくるのも自然です。

特に投資は、元本が大きいほど・時間を味方につけるほど、複利効果も大きくなります。
そのため、「早く投資できる人ほどさらに有利になる」というイメージから、「こどもNISAは格差を広げる制度なのではないか」と考えられているのだと思います。

実際、この考え方自体には一定の理解はできます。

NISA制度には“上限”がある

一方で、私は「こどもNISAによって格差が広がっていく」という見方には、少し違和感もあります。

その理由の一つが、NISA制度には上限が存在していることです。

現在想定されているこどもNISAでは、年間上限は60万円、総額では600万円までとされています。
そして18歳以降は通常のNISAへ移行し、その後は通常NISA側の上限管理になります。

現在の新NISA制度では、生涯投資枠は1800万円です。
つまり、こどもNISAを利用したとしても、最終的には通常NISAの上限に到達する構造になっています。

もちろん、早い段階で投資を始められることによるメリットはあります。
時間を味方につけやすくなるため、結果として資産形成スピードも速くなります。

ただ、それでも制度の中で加速できる範囲には限界があります。

例えば、「こどもNISAを利用できた人」と「利用できなかった人」の間には差が生まれると思います。
しかし、その差がNISA制度内で無限に拡大し続けるというよりは、ある程度上限のある差として存在するのではと考えています。

そのため私は、こどもNISAによって「差が生まれる」こと自体はある程度自然だと思いつつも、それがそのまま「格差が拡大する」という話とは少し違うように感じます。

長期・世代単位で見ると、むしろ収束方向もあるのでは 

こどもNISAを含むNISA制度については、単年や一世代だけではなく、もっと長い時間軸で考えてみても良いのではないかと思います。

例えば、早い段階でNISA上限へ到達した世代は、その後さらに次の世代へ資産を移し始めることができます。
つまり、「投資開始時期」が世代を重ねるごとに前倒しされていきます。

我が家の場合、現時点ではこどもNISAを利用する可能性は低そうです。
ただ、将来的に私の孫に対してこどもNISAを利用することは十分に考えられます。

また、私を見て育つ子どもたちは、少なくとも私よりは金融リテラシーが高くなるはずです。
すると、私の子どもたちは、比較的早い段階で1800万円を積み立てられる、と考えられます。

もし数世代にわたって、

  • NISA制度を活用する
  • 上限まで到達する
  • 次世代へ早めに資産移転する

という流れが続くのであれば、最終的には「1800万円へ到達する」までの時間は、徐々に収束していくように思います。

もちろん、そこまで単純ではありませんし、現実には収入や生活環境の差もあります。
ただ、少なくともNISA制度を理解し、活用しようという考えに基づけば、数世代である程度の領域には到達し得るのではないかと思います。

その意味では、こどもNISAによって生まれる差というのは、「永続的に広がり続ける格差」というより、「到達時期の差」に近い部分もあるのではないかと思います。

格差の本質は、制度そのものより「活用し続ける考え方」かもしれない

ここまで整理してきたように、私は「こどもNISAによって格差が広がっていく」というよりも、制度をどう活用し続けるかのほうが、長期的には影響が大きいのではないかと考えました。

もちろん、現実には収入差もありますし、そもそも投資へ回せる余裕がない家庭もあると思います。
そのため、「誰でも簡単に同じ状態へ到達できる」という話ではありません。

また、金融知識や価値観、家計状況などによっても、NISA制度への向き合い方は大きく変わります。

ただ一方で、NISA制度そのものには上限があります。
そのため、制度を活用する人同士の中では、ある程度「収束地点」も存在しているように思います。

例えば、資産0の状態と3000万円の状態を比較すれば、当然差はあり、格差と呼べるかもしれません。
ただ、もし長期的にNISA制度を活用し、1800万円と4800万円という差の比較になった場合、その差の意味合いも少しずつ変わっていくように思えます。

少なくとも、投資資産が全くない状態とは、かなり違った景色になり得ますし、人によっては1800万円は十分な資産とも言えます。

その意味では、格差の有無を決めているのは、「こどもNISAという制度そのもの」というよりも、

  • 制度を理解しようとするか
  • 長期で活用し続けるか
  • 次世代へ考え方を繋げるか

といった部分になります。

これはかなり長期視点での話ですし、現実には様々な条件差もあります。
また、今回は数億円といった資産を持つ層は除外して考えています。
その層であれば、NISA制度のメリットが誤差のレベルになってくるためです。

一般的な私たちにおいては、「こどもNISA=格差拡大」と単純化するよりは、もう少し長い時間軸で見てみたり、少しでも活用しようと前向きにとらえるのが良いのではないかと感じています。

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